目指すは始まりの場所

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日本での恵理の最後の記憶は、目に痛いくらいに焼きつく車のライトと耳障りなブレーキ音だ。 あの日は、両親と三人でドライブに出かけた。 そして海を見た帰り道、父の運転していた車に大型トラックが突っ込んできて――慌てて避けようとした車は、ガードレールを突き破り落下したのだ。 母に抱きしめられながら、恐怖にギュッと目を閉じた恵理は、気づけばこの国――アスファル帝国の国境沿いにある森の中で倒れていた。
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