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ある紅葉の綺麗な秋頃に伏見稲荷大社に行って鳥居を潜り続けること15本目にこちらをじーっと見つめる1匹の狐。
でも、どう見ても普通の狐ではないよく神社でいるお狐様のような姿。なんだろ?と思いつつ近づくと先に進むそんなことを繰り返すうちにさっきの狐はどこかに行ってしまった。辺りを見回してもいない。
遠くで狐の鳴き声がする
でも、自分自身鳴き声というより声に聞こえる
「こっちだよ、こっち、こっち」
声の方を向くと誰もいない
「下をみてごらんよ」
言う通り下を見てみたら
「わぁっ!?え?き、君は誰?」
「僕?僕はここに何年もいるよ名前は緋紅(ひぐれ)」
「緋紅…………どうして俺を呼んだ?」
「それはね、君は見る力があるからさ。僕を見つけたのはこれで2人目だ(笑)」
「2人目……1人目は?」
「………この世からいなくなったよ…でも、君のお祖父さんなんだよ笑」
お祖父さんが見えるというのは聞いたことがある。でも、まさか自分が見えるとは思わなかった。
「僕は今から君と一緒に過ごす。だから、余計見えるようになるよ。それでも構わないかい?」
ふとした瞬間から緋紅の口調が変わり出した。
一緒に過ごす?ん?なんで?
「なんで?!どうやって?それと口調が変わってる!」
「我は子供じゃないぞ、当たり前じゃ、小さい子になれば話はきいてくれるだろ?どうやって?それは簡単じゃ、狐憑きになればええこと。簡単に言えば式神みたいなもんや」
「………なるほど…って分かるかい!俺になんの影響もないんだな?」
「ないさ。ただ、見えることそれと我がいることで見える人には見えるじゃろうて。」
見える人には見える…爺様とかの事か?
そんな話をしたと思えば緋紅は消え俺は幻想でも見ていたんじゃないかと思いながら家路に着いた
これが初めて緋紅と出逢った話
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