3変化

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「百々瀬です。部長はどの人かしら?」 はい、と返事をして、まりあの方へ歩いてきたのは、 3年生の青川優姫(アオカワ ユウキ)。 クラリネットを手にしている。 「青川さん、この状態は…」 「いつもこんな感じです。」 おしゃべり中、楽器独奏中、理科のレポート製作中… 「 最近コンクールの曲の楽譜も配ったんですけど… 今年の一年生に期待するしかないです。私は、みんなと合奏がしたくてこの部に入ったのに…」 彼女は優等生タイプでしっかりしていそうだが、おそらくあがり症だろう、とまりあは感じた。 「ありがとう。私に考えがあるの。試していいかしら?」 「お、お願いします…」 「じゃあ、みんなをまとめてもらえる?先生から話があるからって。」 彼女は弱々しくうなずいた。
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