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結局。
何処の誰の子かも判らなかったそうだ。
当たり前だ。
俺は何も身に付けていなかったのだから……
その後、救ってくれた人の知人が親となり育ててくれることになったようだ。
その人の話によると、俺を助けた後で溺れて亡くなったらしい。
だから俺は死神と噂されていたのだ。
死神としての扱いは酷いものだった。
無視は当たり前。
時には石も投げられた。
そんな時、養父は優しかった。
何時も俺を庇って、矢面に立ってくれた。
だからと言う訳ではないが、俺は養父を愛した。
愛情表現なんか出来ないけど、必死にしがみ付いた。
甘えるためではなく、俺を守ってくれる唯一の存在だと信じて疑わなかったのだ。
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