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ともあれこのままここにいる訳にもいかない。
すぐに騒ぎを聞きつけた先生や生徒が集まってきてしまう。誰かに見咎められる前に立ち去るべきだ。周囲に目撃者はいない。仮に見られていてもこの暗さなら顔の判別は難しいだろう。
それにこの照明は風化して落ちてきて、幸運にも周囲には誰もいなかった。そういう事でいいだろう。僕がわざわざ被害者面する必要はないのだから。
心の中で言い訳を整え、僕は足早に帰路に就いた。
途中、振り返って見た夕闇に佇む校舎が誰の目に見ても真っ黒なはずなのに僕にはとても不吉に見えた。
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