第壹章☆皇国の覇者

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ここは死神達が標的と呼ぶ、 霊達が行き着く天国催し物広場。 天国に相応しい煌びやかで広大な場で、 天国門通行許可手続きセンター隠密課担当の、 泰山王主催の2・26事件反乱兵同窓会が開かれていた。 かつて人型標的として猛威を振るいつつ、 今や死神に就任した萩大虎軍曹は、 当然将校や士官達から注目の的だ。 「聞いたぞ萩!随分と暴れ回ったらしいな!」 「はっ、渋谷三郎大佐!我ながらお恥ずかしいばかりで…」 萩軍曹も生前の上官の前では、 大きな体躯の虎も猫同然だ。 「しかし腕を買われ、死神になるとはな…」 「大虎は萩家一の出世頭じゃ!」 特別に呼ばれた萩大虎の父と祖父も、 息子や孫の飛躍を喜んでいた。 「このこのー!我らも死神にせい!」 「ははは!父上祖父上!安藤歩兵大尉!お戯れを! 存命の盟友の陸攻と違って皆死んだと言うのに」 上官達に肩組みされ、 始めて満面の笑みを浮かべる萩。 彼を討ち取った女忍者死神にして、 アオザイを着こなす暗行神美と、 貴族鬼神にして、 普段通り狩衣の八橋文麿は驚きを隠せない。
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