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その、新入生の女子部員は丁寧に私の作品を塗りつぶした後に自分の絵を描いた。
天使の絵だと記憶している。
こんなに素晴らしい絵を、なぜ態々、私の気持ちの悪い絵の上に重ねて描きたかったわからなかった。
しかし、その新入生の女子部員は私に出来映えを聞いてきた。
私は曖昧に「いいね。」
とか言ってた様な気がする。
その時の女子部員のその行動が好意からくるものなのか憐憫から来るものなのかは今となっては図り知ることはできない。
しかし、それは単なる気味の悪い絵を塗りつぶしてやろうという事ではなかったのだと今になって漸く気が付いた。
醜いものを綺麗なもので塗り替えたというのは、たぶんメッセージだったんだろう。
その事に気が付かなくて、ごめんなさい。
名前も忘れてしまったけど、今その事を思い出してどうしても書きたくなったこれは彼女に対する…
お詫びというジャンルの小説である。
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