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最初は仕方ないと思ってたけどもう限界。なんで私がこんなのとルームシェアしなきゃいけないのよぉ~っ!
私がようやく落ち着いたのは、数分後の事。
「そろそろ機嫌をなおしてくれないだろうか。さっきは悪かった。とても反省している」
白地に筆文字フォントで『スマン』とプリントされたTシャツを着て、コウシロウは私の前に正座している。その言葉に嘘はないのだろう。なんせ生真面目な奴だ。でもね、乙女の怒りはそう簡単に鎮まらないんだから!
そっぽ向いて競馬新聞読んでやろ。
「子供が読むものじゃないだろそれは。あと、あぐらをかくんじゃない。女の子だろ!」
取り上げられた。すねてやるー!
「え~ん返してよぉ~! そのたいど、さてはやっぱり反省してないのね~!? うそつき~!」
床に寝転んで足をドタバタさせてたら、コウシロウはため息混じりに、やれやれといった顔で言う。
「じゃあ、お詫びに朝飯は俺が作る」
「えっホント? やったぁー!」
思わずバンザイしちゃう。武骨なナリしてるわりに、料理だけはものすんごい上手なのよねコイツ!
ちなみに私はというと聞かないで。
「ただし食うのはゴミ捨ててからだ」
すっかり忘れてましたがな。急がなきゃ。この区画はなぜか収集車くるのメチャ早いの。
じゃあ外出の準備しますか。まずは流し台に立って顔洗ってー、まつげ整えてー、クシ通して髪型キメたら。
「おっそーい早く行けー! しかもそこに居られたら、調理ができんだろう!」
ヒラヒラのエプロン姿でダイコン片手にコウシロウが怒るから、仕方なくジャージ羽織って部屋を飛び出す。
◇ ◇ ◇
「もう! これだからオッサンはー! 女子の身支度にかける執念をなめたらアカンぜよ!」
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