一コマ目「たいへん☆ もっさいオヤジが私の部屋に!?」

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 血も冷えるような絶望感にへたり込む私の頬に、汚い銃口が押し付けられる。 「んくっ……!」 「さァこいつをどうしてもらおうか」  こんな事されてるのに、何もできないなんて悔しい。涙が浮かぶ。緑のゴミ収集車がすぐ横を通過してゆく。  もうおしまいだ。  私はなぶられ、そしてゴミは出しそびれる。  瞼を閉じかける寸前、歪む視界に映ったものは…… 「ふんっ、なーによ。ざけんなって」  薄く笑って、目の前の粗末なモノをはたいてのける。 「まだ減らず口を叩く余裕があるのか?」 「遅いっつーの……」 「いや俺はむしろそうろ……うげっ!」  いらん個人情報を漏らす怪人さんの後頭部に、風切る速度でまっすぐに飛び込んできた物体が、ぶち当たる。  宝石でデコられたド派手なコンパクト。  私の変身アイテムである、コズミックパクトだった。 「遅れてすまない……そあらくん」  よろめいて膝をつくスコープマグナムさんの背後に、あの男が立っている。  鋭い瞳に静かな怒りの炎をたたえた、彼が。  戦場に似つかわしくない、可愛らしいエプロン姿で。 「だがキミも、うかつだぞ。だいじなものを間違うな」 「大地いいいい、コウシロウうううう!」  スコープマグナムさんが唸り、銃口の向きを変える。
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