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4話
「ちょっと、カズ! 表の家! なんでこんなことになってるの!」
外から豪快に入ってきたのはルージュと伽羅。
「おう、ルージュに伽羅、おかえり」
「何暢気なこと言ってるのよ! あれだけ騒ぎを起こすなって言ったのに!」
カズに説教を始めようとしたが、ベットに横たわるルイスの姿を見て言葉を呑んだ。
「ちょっと、ルイス大丈夫なの? 一体なにがあったの?」
「いやな、外歩いてたら急にギャングの幹部らしい奴と出くわしちまってよ、ルイスはそいつにちょっとやられちまった」
「ごめんねルージュ、だけど心配しないで。幹部はカズが倒してくれたし僕も平気だから」
気を使い言葉を選ぶルイスに、ルージュは額に手を置きため息を付く。
「ちょっといいかしら? カズちゃん、その倒した幹部はどこにいるの?」
「ああ、それなら家の前に転がってるだろ?」
そう言いながら家を出て、ダガーが転がっていたところを指差したのだが、そこにはすでにダガーの姿はなく、血痕が転々と地面に落ちており、それはギャング達の拠点へと向かっていた。
「なんだあいつ、生きてたのか」
はき捨てるように言うカズの頭に、ルージュは拳骨を食らわせる。
「あのねぇ! アタシ達がせっかく偵察して、敵の戦力をある程度予想して、これからどうやって攻めようか考えようって所だったのに!」
「しかた無いだろ、向こうから来たんだから」
「じゃあせめて殺すなり、縛り付けておくなりしておきなさいよ! 多分そいつは拠点にもどってアタシ達の存在を報告してるわよきっと!」
「まぁまぁルージュちゃん落ち着いて、モノは考えようでしょ? カズちゃんが幹部を倒してくれたおかげで今の戦力でも十分制圧できるじゃない」
「はぁ……まあ確かに、やっちゃったモノは仕方ないし、攻入るしかないか……」
肩を落としたルージュは気乗りしなさそうに呟く。
「その意気だぜルージュ! じゃあ今すぐいこう!」
カズを先頭に、ルージュと伽羅も後に続く。
「待ってください!」
だが三人をリリルが引き止めた。
「あの……必ず生きて帰ってきてくださいね」
リリルの言葉にカズは笑顔を見せる。
「おう、まかせとけ!」
「ルイスのことお願いね」
その言葉を最後に、カズ達三人はギャング達の拠点へと向かった。
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