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「あなたは! キング海賊団の!」
「あたしも居るっつーの」
カズのさらに後ろで、ルージュは刀を構えていた。
「クッ! あなた方なぜその少年をかばうのです! ここで我々が争っても一銭の得にもならないでしょう!」
「そんなこと俺が知るかよ、俺はただ」
カズは怒りに震え、上着を脱ぎ捨てた。
「こいつの夢を笑い、奪ったお前をぶっ飛ばすだけだ!」
裸になったカズの胸には『星の石』が埋め込まれていた。
「なんです! その姿は! 『星の石』を核としたホムンクルスか改造人間? いや違うあなたは生身の人間だ、それなのになぜ自我を保ったままなのだ! そんな者聞いた事が無い!」
カズはクラウスの言葉に耳を傾けることすらせず、ただ悠然と一歩ずつ近づいていく。
「来るな、キング海賊団! この星は多数の海賊団の縄張りに面した星だ! そこを武力行使で落としたなど、他の海賊団が知ればどうなると思う! 戦争にすら発展しかねんのだぞ!」
「カズ! そいつの言うとおりだよ。幹部の自覚をもって行動してもらわないと……まぁだけど……どうにでもなるか。そいつぶっ飛ばしちゃえ」
「クソッ! 海賊団と事を交える予定は無かったがやむをえん。用心棒の先生方、頼みますよ!」
クラウスの声を待っていましたと言わんばかりに魚人の用心棒はクラウスの前に立つ。
それと同時にどこへ隠れていたのか十数名の魚人が囲うように現れた。
「キング海賊団幹部のハネダ・カズだな、強いって噂は聞いてるぜぇ。だが俺は宇宙でも名の知れた殺し屋ルシウス・シルガ様なんd」
自己紹介を遮るようにカズは一瞬で間を詰め、魚人を殴り、
「知るかよ、お前みたいな奴」
地面に叩きつけられた魚人は、衝撃でできたクレーターの底で泡を吹いて気絶した。
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