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「うーん、どうするか」
敵を全員倒したのはいいものの事後処理が思い浮かばずカズは頭を抱えていた。
「はぁ、まぁあんたが考えなしなのはいつものことだし。私が船長に相談してなんとかしておくわ」
「おう、頼む!」
言った後、カズは倒れていた魚人の残党を見て回り、意識のあった者を無理やり起こす。
「お、お前息があるな。よく聞けよ、この星は俺がもらうことにしたから。仲間全部引き連れてさっさとどこかの星に帰れ!」
「は、はいぃ!」
クラウスの惑星遊泳船を引っ張り出し、無理やり全員を詰め込まれた船は、空高く飛んでいった。
「とりあえず、いろいろ報告もあるし一度帰ろっか」
「そうだな、また船長にどやされるのかなぁ」
「当たり前でしょ、視察って言ったのに星を略奪したんだから」
「だよなぁ……」
「ほらとりあえず船に行くわよ」
「はーい」
肩を落としながらカズはルージュに続く。
だがカズは数歩歩いた所で立ち止まりルイスのほうを振り返った。
「そういえば、俺の仲間に一人ジャスク星人が欲しいって思ってたんだよね」
スラムの顔は見る見る歓喜に染まっていく。
「一緒に行く? 宇宙」
「はい! 行きます!」
宇宙の旅を夢見る少年。
彼は宇宙海賊となって夢を叶える。
これから先、幾千の苦労が待ち構えていようとも、
彼はこの決断を悔いることはないだろう。
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