3話

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「なるほどな」  ルイスとリリルの表情を見てダガーの仮説は確信へと変わった。 「ようやく読めたぞ。そこのコーネリア人の娘! 貴様、先日殺した男の関係者だな」 「先日……殺した男……? まさか……義父さんのこと?」 「なるほど、貴様あやつの娘か。となると先ほど殺したあの者も、そしてそこに居る貴様も、貴様から連絡を受けてこの惑星に来たのか」  リリルの表情がどんどん絶望へと変わっていく。  自分の義父を、  自分をあの地獄から救い上げてくれた義父を、  殺した男が目の前にいた。 「あなたが、私の義父を……殺したの?」 「さっきからそう言っているではないか、まったくおとなしく奴隷として仕えていれば、少なくとも死なずに済んだ物を」  絶望に腰を抜かして、リリルは座りこむ。 「殺してやる」  リリルはその憎しみを、その恨みをダガーにぶつけた。 「口ではなんとでも言えよう。ではさらばだ、反逆者は殺さなくてならないのでな」  ダガーはまた腕を前に出して中指と親指をぴたりと着ける。  そして指を弾こうとしたその瞬間、リリルの前にルイスが立ちふさがった。 「カズを殺したって言った?」  怯えた声でルイスは尋ねる。 「左様、私の能力の前に奴は虚しく散った」 「嘘だ!」  そう叫んでルイスは拳を握り、ダガーへむける。 「嘘なものか、そこにある崩れた家の先に死体が転がっているだろうよ」」 「カズは僕を守ってくれたんだ、簡単に死ぬわけ無い!」 「くだらんな」  言い終えると同時にダガーは指を弾き、爆風がルイスを襲う。  吹き飛ばされたルイスは数メートル空を舞い、重力によって地面に叩きつけられた。 「うぐ……!」 「貴様には聞きたいことがある、だから少し寝ておけ。さてと、待たせて悪かったな」  ダガーはリリルに向きなおし、その殺意と憎しみの感情で濁った目を見つめた。 「ふむ、その殺意に満ちた目、たまらんな。恨むことしかできない気分はどうかね?」  そして、ダガーはまた腕をだして指を構える。 「まぁその気分を味わって死んでくれたまえよ」 ――ごめんなさい義父さん、仇を取れなかった。  リリルは胸の内でそう呟き、目を閉じる。  その恨みを胸に秘めて、義父や両親の元へ行く覚悟を決め、膨張する空気と、襲い来る衝撃に身を構えた。だが爆発は一向に起こらず、リリルは恐る恐る目を開ける。
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