3話

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「家を三軒貫くほどの爆風を受け、なぜ生きている? 貴様は殺したはずだろう?」  目を開けると写るのは、額に汗を流すダガーの姿。  そして自分の目の前に立つ、 「あれくらいじゃ死なねぇよ」  カズの姿であった。 「…大丈夫か、お前?」  カズはリリルに向き、手を差し伸べて起き上がらせ、後ろで倒れているルイスに目をやる。 「ルイス! 生きてるか!」  ダメージが残り答えられないルイスは、なんとか手を上げて無事をアピールする。  それを見たカズは、命に別状はないと判断してダガーに目をやる。 「ちょっとまってろ、今すぐこいつぶっ殺してやるからよ」  一体どんなトリックを使ったのか思考をめぐらせていたダガーだが、自身に殺意を向けるカズを前にただ運がよかったのだと切り捨てた。 「貴様、今私を殺すと言ったのか?」 「そうだ」 「強い言葉を吐くじゃないか……まさか、本気ではあるまい?」  ダガーは再び指を構える。 「……もうお前、喋らなくていいよ」 「ほざけ!」  ダガーは右腕を構え連続で指を鳴らし、放たれる爆発。  だがカズは、それを完璧に見切っていると言わんがごとく、拳で空を打ち爆風を打ち落としていた。 「私の力が、そんなバカな」  そしてダガーは両手の指を弾いていく。  先ほどの倍の数で襲ってくる爆発、だがカズは虚空を打つ拳の衝撃波で次々と霧散させた。 「どういう理屈かはわかんねぇが、打ち落とせるならそんな爆発わけねぇよ」  このままでは埒が明かん!  そう考えたダガーは右腕に力を込めて振りかぶり、  自分が持つ最大威力の爆発を起こした。  だがカズは無問題と言うように、  また拳を握り、  力いっぱい空を叩く。  その衝撃波は最大規模の爆発を打ち消すだけではなく、  ダガーの体をも吹き飛ばす。
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