0人が本棚に入れています
本棚に追加
オークファミリーの拠点は大騒ぎになっていた。
「ボス! ダガーさんが傷だらけで戻ってきました!」
下っ端に助けられ、なんとかオークファミリーのボスであるオーク・ジキルのもとへ辿り着いたダガーはすでに慢心相違で、意識があることすら軌跡というレベルの負傷であった。
「ダガー! お前ほどの者が一体だれにやられたんだ?」
「コーネリア人が、呼んだ宇宙からの助っ人です、恐ろしい強さで……なす術なくやられ」
緊張の糸が切れたのかダガーは事切れるように倒れた。
「どうするよ兄貴」
「決まってるだろ、俺らに喧嘩を売ったこと、死ぬほど後悔させてやる」
ジキルは立ち上がり、巨大な棍棒を手にする。
「野郎共! 戦の準備だァ!」
ファミリーの人員を焚きつけジキルは戦に備えた。
カズを筆頭にした三人は、ギャングの拠点前に到着した。
「おいルージュ、むこうの親玉は俺がぶっ飛ばすからな!」
鼻息を鳴らしてカズは意気込む。
「あんたが相手のボスに突っ込むのはいつもの事でしょ、とりあえず残った幹部と雑魚はアタシ達でなんとかしておくから」
あきれた声でルージュは答えた。
「そうよカズちゃん、相手の親玉は任せるから、私達は適当にしてるからあとよろしくね」
話しているうちに一行はファミリーの拠点前に着き、ファミリーの人員たちと対峙した。
「おい、ルージュ。そう言えばあいつらの親玉なんて名前だ?」
「オーク・ジキルよ」
「ジキルぅ! 出てこォい!」
カズは大声で叫び、陣取っていたオークファミリーの者達に動揺が走る。
「人の名前を叫ぶんじゃねぇよ」
答えた巨躯な男、オーク・ジキル。その右手にはカズの体と変わらない巨大な棍棒が握られている。
「テメェか? ダガーをやったのは」
「そうだ。次はお前だぞデカブツ!」
「ガキが言うじゃねぇか、テメェみたいなガキにダガーがやられるとは思えねぇんだがな」
そう言ってジキルは葉巻を噛んで火をつける。
「まさかテメェら三人で、俺達の相手するってわけじゃねえよな?」
ジキルの言葉と同時にファミリーの人員それぞれが剣や銃を取り構える。
「お前らみたいな小物、俺達三人で十分だよ」
カズはゴキゴキと指を鳴らして戦闘体勢に入る。
「カズちゃん、そこどいて」
後ろの声に振り向くと、そこには二メートルはあろう巨大なバズーカを構えた伽羅が居た。
最初のコメントを投稿しよう!