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コーネリアに根を張ったギャング、オークファミリーは解体され、身柄はキング海賊団が残らず回収した。海賊をやめてギャングとなった彼らではあるが、それでも宇宙連邦に連行すればいくらかの懸賞金が出るため、生死に関わらず全員が回収用の宇宙船に積み込まれた。
「とりあえずギャングは全滅させたから、散り散りになったコーネリア人の人たちも、この町に戻ってくるでしょ」
一仕事を終えた一行はリリルの家で茶を飲み、休息をとっていた。
「本当にありがとうございました、なんとお礼を言えばいいのか」
リリルは深々と頭を下げながら礼を言う。
「気にすんな、俺がやりたくてやったことなんだからよ」
笑いながら言うカズに、リリルはつられて笑顔になる。
「さて、後片付けも済んだし帰りましょうか」
「えー、せっかくなんだし、この星観光しようぜ!」
「あのねぇ、アタシには報告書を作って、コーネリア調査の結果も報告しなきゃなんないの! これ全部カズ、あんたの仕事なんだからね! それをアタシが代わりにやってあげてるって自覚もちなさいよ!」
「うぐ、じゃあ、しゃーねーか」
怒涛の説教に圧されたカズは、渋々了承して出発の準備をする。
「あの、カズさん……」
リュックを背負ったところでカズはリリルに声をかけられた。
「本当にありがとうございました!」
再び頭を下げるリリルを見て、カズはゆっくりと言葉を紡ぐ。
「なぁリリル。お前、これから一人でここに暮らすのか?」
「はい、そのつもりです」
その言葉を聞き、カズは笑顔でリリルに向き合う。
「なぁ、俺と一緒に来ねぇか? お前の家族が死んで、ずっと一人ぼっちになるくらいなら、リリル、俺と一緒に来いよ!」
一筋に目をそらさず自分の目を見つめるカズ。
その目は、地獄から救い出してくれた義父の目にそっくりで、
また零れそうになった涙をこらえると、
リリルの心は決まった。
「はい! つれていってください!」
仲間が一人増えた一行。
家族を二度も失った少女を、二度と悲しませないように。
彼らは仲間となって宇宙の海を進んでいく。
少女の顔に笑顔を絶やさないことを彼は一人誓った。
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