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車が止まり降りるとそこには巨大な縦穴が広がっていた。穴の入り口の大きさは五〇〇メートル前後で、縦穴の壁には無数の家が張り付くように建てられている。
「この星は二つのグループに別れています、一つは我が社の人間、そしてもう一つはこの星の原住民であるジャスク人です。彼らは働き者でしてね、彼らが『星の石』を掘り我が社が報酬を支払うという関係です」
「あ、クラウスさん! どうされたんですか?」
後ろから声をかけられ、カズ達が振り向くとそこにはジャスク人の少年がいた。
少年の名前は――ハーデン・ルイス。ぶかぶかの作務衣に身を包み、手にはボロボロの手袋、一言で表せば小汚い少年だ。
「丁度良い、この二人の海賊さんにこの採掘場を案内してあげてはくれないかね?」
「わかりました!」
「ではお二方! 案内するにあたり、現場の意見を聞くというのもなにかと視察の為になるでしょうから、ここからはこの少年に案内してもらってください。すみません少々私立て込んでいますので」
そういい残し、クラウスは車に乗り込んで来た道を戻っていく。
「では採掘場を案内しますね。付いてきて下さい」
そう言ってルイスは採掘場のエレベーターへ向かい、二人も後に続く。
「それにしてもすごい場所だなココ、皆ココに住んでるのか?」
「はい、この星に住んでいる人の半分以上がここにいて、毎日穴を掘り進めています」
エレベーターで降りていくと目的地に到着し、ルイスは案内を続ける。
「ここが作業所です、あの穴が見えますか?」
そう言って指を差すルイスの先には、先ほどもカズが見つけた小さな横穴があった。
「『星の石』を掘り当てるにはこれが一番効率いいらしいんです。でっかい大穴をあけて、そこから木の枝みたいにいろんな方向に掘り進めます。それが僕達の仕事ですね」
「お前らちゃんと報酬はもらっているのか?」
「はい、クラウスさんが約束してくれたんです。もしも『星の石』を見つけることができたのなら、見つけた人を宇宙旅行か違う惑星に永住させてくれるって。僕達は貧乏な星だから宇宙なんて行けないから、みんなそれを目指して頑張っているんです」
「そうか! それはいいことだ」
目をキラキラとさせて語るルイスの頭をなでてカズは言う。
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