1話

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 カズはこれまで出会った種族の話をし、ルイスにはまるで作り話のようにすら聞こえた。 「あははは、本当に変わった種族がいるんですね。っともうこんな時間、話してくれてありがとうございますカズさん。僕はもう仕事に戻らないと」 「よし、じゃあ頑張って『星の石』見つけてこいよ!」 「はい! じゃあ行ってきます!」  上機嫌で向かうルイスを見送ると、ルージュは周囲に聞こえないよう小声で口を開く。 「カズ、あんたは見た感じどう思う?」 「いやぁクラウスさんはいい人なんだな、宇宙に連れて行ってくれるなんてさ」 「そう思う?」 「どうしたんだルージュ?」 「いや、どうにもキナ臭くてね、あの社長裏がありそう」 「そうか? 俺は何も思わなかったけど」 「あんたは考えなさすぎなの! だいたいね、こんな星で――」 「それよりも腹減ったな~食堂ってあの辺りだっけ?」 「聞きなさい……って言っても無駄か」  ルージュはカズの後に続いて食堂へ向かった。  すでに時刻は十二時を回っている。  いくら働き者であるジャスク人でも十二時を過ぎて働く者はない。しかしルイスはまだ一人横穴の奥で掘り続ける作業をしていた。 「まだ居たのか」  穴を掘り続けていると入り口から声をかけられ、振り向くとそこにはカズがいた。 「カズさん、どうしてここに?」 「戻ってこないから死んだんじゃねーかなって思ったけど、なんだ生きてるじゃん」 「勝手に殺さないでくださいよ」  笑いながら返し、穴を掘る作業を続ける。 「お前はさ、なんでそんなに宇宙に行きたいの?」  横穴の入り口に腰かけてカズは尋ねる。 「僕の夢だからです、僕はずっと地上から宇宙を見上げることしかできなくて、でも宇宙にはいろんな物があるんでしょう? 想像できる全ての物が宇宙にはきっとあるって本で読みました。それくらい宇宙はひろいんでしょう? 僕はそれを想像して以来、宇宙の虜になっちゃいました変ですかね?」 「変じゃないさ、俺だってそうだ。俺も宇宙を夢見て宇宙に飛び出した。俺もお前と同じだよ」 「ははは、ありがとうございます」 「じゃあ俺は外で待ってるから」 「いいですよ、そんな」 「気にすんな」  そう言ってカズは穴の近くで横になり目を閉じた。
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