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ルイスは一日中掘り進み、空が白み始めたころ土の奥から明かりが漏れているのを見つけた。その光を見つけた途端ルイスの疲れは一気に吹っ飛び夢中でその光へ向かって掘り進める。
「やった、ついに見つけた!」
ルイスが手にした物、それは掌サイズではあるが、それは確かに『星の石』だった。直視するのもできないほどの輝きと神々しさ。それは間違いなく『星の石』だった。
「やった! カズさん! 僕、ついに『星の石』を見つけました!」
寝ているカズを起こそうとするが一向に起きる気配のないカズに痺れを切らし、ルイスは一人大穴から出てクラウスの元へ向かうことを決意した。
「ついに、永かった。一年間ずっと休む間もなく掘り続けて、やっと見つけたんだ。宇宙へ行くことができる! カズさんの言っていた星にも行ってみたいし、いろんな種族を見てみたい。きっと驚きでいっぱいだろうなぁ!」
大穴を出て走り続け、彼はとうとう採掘場本部ビル場所にたどり着いた。
「どうしよう、こんな朝早くクラウスさんは出勤してないだろうし、待ってないとだめだよね……」
そんな事を呟きながら、本部ビルにもたれかかっていると――
「おぉ、こんなガキが『星の石』を掘り当てやがったのか」
突如声が上から振ってきて、見上げるとそこにはビルの壁に張り付く魚人の姿があった。この星ではジャスク人とクラウス達採掘行本社に所属する人たちしか見た事がない。だが彼はどうみてもクラウス達とはどうみても種族が違う。
「えっと、あなたは?」
「んぁ、俺か? 俺はな、クラウスさんの用心棒さ」
そう答えた魚人は壁から離れるとルイスの前に立った。
「それよか『星の石』見せてくれよ、俺生で触るのは案外初だったりするんだよ」
「え……と、はい、いい……ですよ」
少し不信感を覚えながらもクラウスの用心棒という言葉を信じて『星の石』を手渡した。
「へぇ、これが『星の石』かぁ。しかしなぁ、こんな馬鹿をちょろまかすだけであれだけ稼げるんだから凄ぇもんだよなぁ」
そういって用心棒は『星の石』を持って歩き回る。
「ちょ、ちょっと返して下さい!」
「別に奪いやしねぇよ、だけどなここにいると色々後処理が面倒だからよ、とりあえず社長さんに合わせてやるからついてこいよ。今はビルの裏にいるからさ」
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