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言われるがままルイス用心棒に連れられ、ビルの裏側の荒野へ出る。
するとそこにクラウスは居た。
「ク、クラウスさん!」
「だから嘘は言ってなかっただろ?」
「はい、ありがとうございます! 用心棒さん」
用心棒に深々と頭を下げ、ルイスはクラウスの元へ走っていく。
「クラウスさん! 僕やりました! 『星の石』を見つけることができました!」
「少年、いやぁおめでとう。君が頑張っているのは知っていたからね」
「はい宇宙に行きたいという一心でここまで頑張ってきました!」
「そうか宇宙か……そういえば少年、一つ聞いておきたいことがあるのだが、少年は宇宙に旅をしたいのか、それとも宇宙に住みたいのかどちらだい?」
問われて少し悩む。
孤児として育ち、一人でずっとあの穴から宇宙を夢見て生きてきた。
カズやルージュを見て憧れは確信に変わった。
「僕は宇宙に住みたいです、僕は宇宙で生きたいです」
その答えを聞きクラウスは顔に影を落とす。
「そうですか……なら、しかたがないですね……」
そしてクラウスは――言葉を終えると同時に――銃を構え――引き金を引いた。
だが銃弾はルイスのほほを霞めて後ろにある巨大な岩を砕いた。
「やはり『星の石』を核にした銃は威力が違いますね、しかしこの反動はいかんともしがたい。威力が良いだけにこの反動が惜しいですね」
ほほを流れる血に触れてルイスは血の気が引いた。
「……クラウス……さん?」
自身の置かれている状況を理解し表情に戦慄の色が走る。
「なんで、こんなことを、冗談なんですよね?」
「いいや、冗談などではありませんよ。まったく困ったことに、報酬を与えるのは社会としても会社としても当然なのですがね、しかし君達を宇宙に住まわせるというのは、いささかコストが高すぎるのですよ。まぁ最初は私も真面目に報酬として、宇宙の永住権を与えていたのですが途中から気づきましてね」
クラウスは再び銃を構える。
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