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一週間が過ぎ、二週間が過ぎ、やがて一ヶ月が過ぎた。
ある日窓際でうとうとしていたら、懐かしい声がした。
「ミミ!」
いつも女が入ってくる扉から、飛び込むようにして入ってきたのは悠斗だった。
「間違いありません。ミミです」
悠斗が私を抱きしめながら、後から入ってきた女に向かって言う。
悠斗の涙がポタポタと私の背中に落ちた。
「ありがとうございます」
鼻をすすりながら、悠斗が私を誘拐した女にお礼を言っている。
「ずっと探していたんです」
「よかったな」
男の子がぶっきらぼうに言った。
「家に帰れるみたいだ」
「ねえ」
私は思いきって口にした。
「一緒に来ない?」
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