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「はッあっ、キミに犯されるのは堪らなく気持ちが良い」
「うるせぇよ変態。満足したならさっさと退け」
「もう少し、余韻に浸らせてくれても罰は当たらないと思うんだけどな」
「はッ、色気もねぇのに余韻もクソもあっかよ」
付き合っているとはいえど、辰巳にとっては未だ精処理に近い行為なのだろう。フレデリックとしてはもう少し色気があってもいいとは思うが、これはこれで面白い。辰巳の手で持ち上げられるまま腰を浮かせれば、未だ硬いままの雄芯が後孔から抜け落ちる。僅かな喪失感に、フレデリックは小さな息を吐いた。もう少し…と、不意にそう思ってしまって内心で苦笑を漏らす。
「ねぇ辰巳?」
「あん?」
「今夜は久し振りに僕に抱かせてくれる?」
「気が早ぇんだよ阿呆」
渋い顔をした辰巳にビシリと額を指先で弾かれて、フレデリックは今度こそ声をあげて笑った。
◇ ◇ ◇
辰巳の家の事務所は、新宿だけでもいくつかある。その中の一つにフレデリックと辰巳が顔を出したのは、昼前の事だった。思っていたよりも到着が遅れたのは、もちろん風呂場でいちゃついていたのが原因である。
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