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ビリビリビリッ。
ビリビリビリッ。
ビリビリビリッ。
人間には感じとることのできない、奥底にひた隠された禍々しいオーラに、弐野原ノエルは思わず手を引っ込めたくなる。
しかし、ここで不審がられるわけにはいかない。
平静を装って、ノエルは日下部を優しく慈しむように言った。
「こうするとたがいの温もりが伝わるでしょう?」
慈愛に満ちた笑顔で女弁護士がそうつぶやくと、日下部服役囚は目を潤ませて小さく頷いた。
「大丈夫よ。あなたには私たちがついている。安心して? すべてうまくいくわ」
「……はいっ!」
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