59人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
ジャリワット空軍基地の敷地内には、敗走する兵士たちが残した武器が夏の夜の浜辺のように散らばっていた。肩に載せて発射する氾帝国の轟4型は、安価で操作が容易で有名だった。
マルミが悲鳴のような声をあげた。
「雲山改をおりるの? 装甲がなにもなくなるんだよ」
ジャン・ピエールは鼻歌でもうたうように気軽にいった。
「雲山に乗っていても、雷光のミサイルをくらったらおしまいだよ。どうせなら敵に一撃をくらわせてやる」
言葉の途中で雲山改のコックピットが開く圧縮空気の抜けるプシュという音が聞こえた。
最初のコメントを投稿しよう!