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火球はふくらんだときと同じように急速に縮滅していく。ばらばらと雷光22の破片が豪雨のように雲山改の機体に当たった。
「ジャン・ピエール、だいじょうぶか」
タツオは叫んだが、ジャン・ピエールはすでにつぎのロケットランチャーを拾いあげていた。肩にのせ照準に移る。だが、残された敵機も復讐に燃えていた。距離を詰めながら、三連の機関銃を高速回転させ、1分間1200発の銃弾をばら撒いてくる。
「いいから、もう逃げろ」
タツオは叫んだが、ジャン・ピエールは足をおおきく開き、轟4のスコープを覗きこんでいた。もう一機も落とすつもりなのだ。
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