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「そ、そんな、今更そんな事言えませんよ社長」
「馬鹿かお前!そんな事だからお前は万年ノルマ達成できない社員なんだよ!客を人間だと思うな!」
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「本当に社長がそう言ったのか姉ちゃん」
「はい、この土地と建物の評価額は本来なら3500万円、社長は元々、1800万円で売るつもりはなかったみたいです」
「姉ちゃん」
「はい」
「あんた、そんな恰好している割には真っ当な人間だな」
「あ、この恰好、やっぱり、変ですよね」
「まぁ変と言えば変だけど、俺としては喜ばしいが」
「この制服はですね、社長に強制されて、身に着けているものなんです、お前はドジでノロマな亀だからせめてその恰好で客の興味を引けって」
「ドジでノロマな亀、何処かで聞いたようなフレーズだが・・・まぁいい、そうか、それでそんな恰好をしているのか」
「はい、本当は、とても、恥ずかしいんです」
「姉ちゃん」
「はい」
「名前は、なんと言うんだ」
「忍です、風間忍」
「そうか、俺は、折島一平だ。おい忍」
「と、登場人物の名前を考えるの忘れていて、話の進行上、名前が必要になって、思いつきで名前を考えた上に、更に、い、いきなり呼び捨てですか、はい、何でしょう」
「些末な事はいい、俺、500万ローンを組んで、2500万でこの家、買うわ」
「ええーー!ローンは絶対に組まない主義だって」
「いいよ、でも、その代り、忍、お前、そんな会社辞めちまえ。お前さ、せっかく真っ当な人間なんだから、ちゃんと真っ当に生きろよ」
「真っ当にか・・・でも、私、事情があって田舎から出て来て、社宅に住んでるし、会社辞めたら、行くところが」
「行くところが無ければ、ここに来ればいい、俺、一人だし、デブハゲ親父に部屋は必要ないし」
「ええーー!いきなり同棲!いくら文字数を稼ぐ為とはいえ展開が速すぎませんかーって、は、ハゲ親父って、誰ですか?」
「あぁ、幽霊だよ」
「なんで幽霊がデブだとか、ハゲだとか分かるんですか!!」
「あぁ、何となく、話せるんだよ、このハゲ。なぁハゲ親父?」
「ピシッ」
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