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何か怪訝しいと思ったのだ。
俺は自慢じゃないが、前向きにしか物事を考えない。
常に、その時の自分にとって何が最善か、それしか考えない人間だ。
それが、今朝は違った。
感傷的になり、寂寥を覚え、芽生えることの無かった恋心などを夢想してしまった。
確かに俺は、紺野さんの事が好きだったのかもしれない。
しかし、人間にとって一番大切なのは、今、この瞬間なのだ。
終わった事など、単なる記録に過ぎない。
昔に撮影した写真に写り込んだテーブルの料理は、もう永遠に味わう事など出来ないように、終わった事は、誰がなんと言おうともう、終わりなのである。
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