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君は自称魔法少女
「よーし、今日も元気に行ってくるりん!」
「あーはいはい。もう帰ってこなくてもいいんだぞー」
「んーもう! そうちゃん、ひどーいっ! ぷんぷんしちゃうりん!」
ツインテールの髪を振り振りお決まりのセリフを口にして、まりんはべえっと赤い舌を出してからバタンと高らかな音を立てて玄関のドアを閉めた。
夜の十時を少し過ぎた頃。真夜中に向かうこの時間に、まりんはいつも外出をする。
僕はネットサーフィンするふりをして眺めていたデスクトップから目を離し、ゆっくりと首を回して立ち上がった。
今日こそはあいつの姿を見つけてやる。
そんな決意を胸に、僕はあいつにまだ見せたことのないグレーのジャンパーに腕を通した。
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