第3話 モグ、立てこもり?!

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 モグ、立てこもり18時間めに突入……。そろりと茶色い頭が覗きます。そのまま固唾をのんで見守る夫婦。少しずつ少しずつきょろきょろしながら、餌を目指している様子。隠れ家からすぐ出た場所に設置したからかもしれません。小さな体を伸ばし、思い切り低い姿勢でソロリソロソロ、キョロキョロ……。 ……モグ、食え! 食うんだ! モグ!……  夫婦の心の声です。手に汗を握り、見守ります。ええ。手に冷汗を握るという感じでしょうか。例えはチガウ、ええその通り(^▽^;) 要するにパニック状態の夫婦です。  餌皿に恐る恐る顔を突っ込むモグ ……さぁ、食え! 一口でも食え!……  パクリ、もぐもぐ た、食べました! 立てこもり18時間めにしてついに!!! 良かったー!  さて、モグは三口くらい食べると隠れ家へサササッと走り去ります。 「モグ! 水は?」 「水を飲め! モグ!」  餌よりもお水を飲んで欲しかった。隠れ家に覗きにいきます。……モグ、隠れ家の奥で口の中に溜め込んだ餌をもぐもぐもぐもぐ……。 「モグたん、お水飲んで」  私は話しかけます。華麗にスルーのモグ。ええ、言葉が通じたら苦労しません。でも必死です。このまま水を飲まなければ、抱き上げてスポイトで強制的に飲まさなければ! とまで思っていました。  絶対辞めろ! と言われる行為ですね(-_-;) また、茶色い頭を覗かせ、餌に。見守ることにします。 「水を変えてみよう!」  主人が提案します。自らが席を立ち、水を入れ替えす。モグ、気になって見ているもののの飲みに来ません。やむを得ず給水きごとモグの口元に……。サササと隠れ家に逃げ込んでしまいました。やはり、待つしかないようです。牧草も食べて欲しいです。  待つ事10分。また、茶色い頭が覗きます。体をのばし、低い姿勢でソロリ、ソロリ。隠れ家から一番遠い水飲み場へ……。 ……飲め! 飲むんだモグ!……  夫婦の心の声。やがて口を伸ばし、ゴリゴリ、音をさせながらお水を…… 「やった! 飲んだ! モグたんが飲んだ!」  夫婦は手を取り合って喜びあいました。立てこもり18時間後、漸く食べて飲み始めたモグ。その後は物凄い勢いで餌、牧草を食べ、水をゴクゴク。まるで遅れを取り戻す彼のように。  一安心した私達でした。良かった、モグ。
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