第4話 モグ、匍匐前進す?!

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 それ以降、隠れ家に籠り、しばらくするとソーッと茶色い頭が覗き、キョロキョロしつつ、体を伸ばして姿勢を低く、這うようにして餌へ。何かにビクッとして隠れ家ササッと戻り、奥の方で頬に溜め込んだらしい餌をモグモグ、もぐもぐ。  そしてまた、ソーッと茶色い頭が覗き、キョロキョロしつつ、体を伸ばして姿勢を低く、這うようにして今度は隣の牧草入れへ。一生懸命飛び出た牧草にかじりつき、引っ張ってー引っ張ってー隠れ家の中にササッと持ち込み、もぐもぐ、モグモグ。  そしてまた、ソーッと茶色い頭が覗き、キョロキョロしつつ、体を伸ばして姿勢を低く、這うようにして今度は水飲み場へ……水飲み場……体を低く、ながーく伸ばし、そろーりそろりと…… 「モグ、匍匐前進してんじゃね?」  隣でモグを見守っている主人に小声で話しかけます。 「あっ! そうだ、匍匐前進だ!」  夫婦は顔を見合わせ、 「あれかな? 匍匐前進ってモルモットの習性かなぁ、空から猛禽類が、陸からは猛獣が襲って来るから」 「つーか、あの匍匐前進、逆に効率悪くね?」 「あー、確かに」  謎です。謎の匍匐前進です。でも餌も牧草もよく食べ、水もよく飲んでいるようなので私たちは一安心です。  でも少しの物音、私たちが少しでも動くとササッと隠れ家に逃げ込んでしまします。まだ我が家に来て一日め。私たちに慣れるのはまだ先のようです。image=509493577.jpg
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