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それはいつもの日常に起こった出来事だった。
こんなこと、誰も予測なんてできるはずなかった。
いつものように学校に登校して馬鹿なことやって、帰ったら風呂はいって寝るだけの平和な一日になるはずだった。
だが、これは明らかにおかしい。
俺は今いる教室の様子をうかがった。
「お、おい。なんだよこれ」
「知るかっ!と、とりあえず外に避難だろ!」
皆驚いている。
どうやらこの足元にある巨大で光っている模様はドッキリでもなんでもないようだ。
「ね、ねえ、これってなんなの?」
隣から怯えたような声が聞こえた。
見れば俺の幼馴染みでもある三枝 楓花が不安そうにこちらを見ていた。
こいつはいつもそうだ。
弱虫でドジで何かあるとすぐに泣きそうな顔をする。
「心配すんなって。とりあえずここはやばそうだから廊下に出るぞ」
「う、うん」
俺は冷静に判断すると、楓花の手首を掴んで立たせようとした。
「きゃっ!」
「なんだ!地震か!?」
運悪く大きな地震が起こった。
俺は思わず楓花の手を離してその場で姿勢を整えた。
それほどに揺れが大きいのだ。
さっきから端の方にあるロッカーから物が落ちているが止まる気配がない。
逆に物が落ちた音で、生徒がさらに混乱し始めていた。
「くっそ、なんだこれ」
現実で起こるようなことではないため、俺は思わず呟いていた。
最後の希望とばかりに先生を見るが、教室の隅で震えていた。
腰が抜けてしまったのだろう。
割りとまずい状況に、軽く舌打ちをした。
そうしていよいよ光が強くなり、なにも見えなくなると、意識も自然と遠退いていった。
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