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気づけば、横に寝かされていて、そこは教室ではなかった。
辺りには俺と同じように床に寝かされたクラスメイトがいる。
全員が横になってもまだ部屋は余裕があるようで、結構な広さのようだ。
また、床や壁は大理石でできているようで、壁際にある柱や銅像が高級感を漂わせていた。
「いってて、いったい何があったんだ?」
後ろの方で声がしたので振り向くと、クラスをいつもまとめている、星野流星が起き上がるところだった。
そして、それにつられて周りの人も目を覚まし始めたようだ。
「浩太、大丈夫だった?」
不意に横から声がかかる。
親友の沢村颯だった。
彼とは中学からの仲で、高校に入ってからも同じクラスで絡むことが多かった。
今でも馬鹿なことをよくやっている。
「ああ、俺は平気だ」
「それにしても……ここはどこなんだろう?」
「わからん。扉があるから外には出られそうだけどな」
「なんか……浩太はいつもどおりだね」
「まさか。さっきから焦りっぱなしだ」
颯と話したからか少し安心した。
向こうでも我らがリーダー、流星が皆を落ち着かせているようだった。
しばらくはあいつに任せて大丈夫だろう。
「そんなことより……」
俺は気になっていた足元の模様に目を移した。
恐らくこれはアニメや小説に出てくる魔法陣だろう。
ほんの二、三回だが、これに似た物語を見たことがある。
そして俺たちは魔法によって学校とは別の場所に移動させられたようだ。
「となると、呼んだやつがそろそろ現れてもおかしくないか……」
そう呟いたと同時に部屋の扉が勢いよく開いた。
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