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その前に、ひとつだけ、神々が現れたとされる「高天原」について書いておきます。私はこの「高天原」という漢字に、「たかあまのはら」と読み仮名をふりました。『古事記』には、とくに「どう読む」という指定はないものの、ここでは「天」を「あま」と読む、と注釈があります。ですから、「たかあまはら」もしくは「たかあまのはら」と読むのが自然かと思われます。よく、「たかまのはら」「たかまがはら」と読むのを見聞きしますが、その場合、「天・あま」という語を、「たかまの」「たかまが」と短くつづめて読んでいることになります。しかし、「神々がすがたを現した天」ということに重きを置くのであれば、やはり「天」は、つづめることなく「あま」と発音するほうがしっくりくるように思われます。とはいえ、これは、どの読みが正しくて、どの読みが間違えている、ということではありません。ですから、この本で、私が「高天原」を「たかあまのはら」と読むからといって、そうでなくてはいけない、ということではありません。「高天原」は、『古事記』の中に頻繁に出てきます。神々が現れたとされるその場所が、いったいどんなところであるのか、そうしたことにも思いをめぐらせながら、推理を進めてみたいと思います。
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