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つづいては、高御産巣日神(たかみむすひのかみ)、神産巣日神(かみむすひのかみ)の二神です。その名前に共通する語があることにお気づきでしょうか。そうです、「産巣日・むすひ」です。この二神がどういう存在であるか、それは、この「むすひ」という言葉を読み解くことで見えてきそうな気がします。
ではここで、ひとりの人物に登場してもらいます。『古事記』を読み解く上で、忘れるわけにはいかない人物……江戸時代の国学者、本居宣長(もとおりのりなが)です。本居宣長は、実に三十五年もの歳月をかけて『古事記』を読み解き、その成果を『古事記伝』という四十四巻からなる大書にまとめました。彼のこの業績は、のちの研究に大きな影響を与えて、『古事記』をどう読み解くかという、その礎となったのです。三十五年の歳月をかけて四十四巻の書にまとめる! その時間、その量からしても、どれだけ『古事記』という書物が、ナゾに満ち満ちているかが知れようというものです。
では、本居宣長は、さきの「産巣日・むすひ」という語を、どう読み解いたのでしょうか。
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