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ヘンな言い方かもしれませんが、私は、この説が、たいへん好きです。急に「好き」と言われても首をひねられるかもしれませんけれども、「好き」というのは、「大いにうなずくところがあった」という意味です。何かと何かが結ばれて、何かが生まれる。たとえば、男女が結ばれて夫婦となり、子供が生まれる。Aという技術とBという技術が結ばれて、産業が生まれる。そういうふうに、たしかに「結ぶ・結ばれる」ことによって、べつの新たなものが産みだされることは実際に多くありますので、それで私は「なるほど」と感心したわけです。高御産巣日神(たかみむすひのかみ)、神産巣日神(かみむすひのかみ)は、その「産巣日・むすひ」と名につくことからも、「創造の神」と捉えられて、「産業の神」「縁結びの神」としても信仰を集めています。ですから、「産巣日・むすひ」という本居宣長の解釈を、私はそのまま受け入れたいと思います。が、しかし……ひとつだけ、引っかかることがあるのです。それは何か? 「産巣日・むすひ」全体の解釈と、「産巣・むす」という語の解釈はそれでいいとして、私が引っかかったのは、そのあとにつづく「むすひ」の「ひ」です。
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