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さきのサンタ・クロースの笑い声「HO―HO」を、私は日本語で「ホー、ホー」と訳しました。でも、そもそも英語と日本語で使う「音」は異なるわけですから、厳密に言えば、「HO―HO」は「ホー、ホー」ですらありません。こうして、言語によって、「意味を持つための音」も「音によって生みだされる意味」も異なるということになります。それで、「HO―HO」という英語は「サンタ・クロースの笑い声」、「ホー、ホー」という日本語は「フクロウの鳴き声」という異なりが出てきます。
言語学では、こうした言語の音を「シニフィアン=意味するもの」、その音から意味されるものを「シニフィエ=意味されるもの」と呼んでいます。「シニフィアン」は、ここでいう「ワンワン・ニャー、ホーホー」という「音」のことで、「シニフィエ」は、そこからイメージされる「犬、猫、フクロウ」という「意味」のことです。こうして「音」が「意味」と結びつくことで「言語」が生まれていると考えるのです。
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