罪深き者の不安

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門から先の社殿のような建物までは50メートルほどで、石畳は門と同じ幅に縮小していて一本道に延びている。 その外側には等間隔で石造りの灯籠が並び、地面は白玉砂利に覆われていた。 厳(おごそ)かなそれらを目にして研次の背筋は無意識に伸びた。 社殿の階段を昇り、朱塗りの太い柱の並ぶ回廊を進むと左手に広間があり、その中央には文机(ふづくえ)で文官と思しき者が書記に勤しんでいた。 官吏がざっと経緯を説明すると文官は木札を彼に渡した。 それには“肆”とだけ記されている。 そこから官吏は研次の横に付いた。
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