罪深き者の不安

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飲んだのが少量だったせいか回復は早かった。完全ではないが転げ回るほどではない。そうなると苦しみは怒りへと変化する。 「おい!アンタ!一体どういうつもりだ!?」 店主と老人がグルなのかもしれないが、研次は手っ取り早く店主に絡む。 「だからアタシは親切で断りを入れたんですよ。隠世(ここ)じゃね、自分の徳で手に入れたものしか自分の体が受け付けない仕組みなんですよ。何もアタシが変な物を出したんじゃないんです。」 「なんだそりゃ!?口を開きゃあ“徳”、“徳”って!つまらない嘘つくなよ!それともあれか?差別か!?俺がアンタになんかしたか!?」 『どうせ人も1人殺ってるんだ・・この際暴れてやるか!』 研次がそう思った刹那だった。 「おう!!なんや身の程を知らん礼儀知らずが元気にハネとんのかい!?」
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