罪深き者の不安

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「あぁん!?てめえ、御仁にご馳走になっときながら口に合わねえからと睨んどったやろ? こちらのお方はな、お前みたいな者(もん)が一緒に飯食うどころか本来なら拝顔も叶わぬお方やぞ。そんなことも分からんのか!? それにな、お前はのんびり道草食ってええ者(もん)とちゃうんや。 おら、とりあえず行くとこへ行くぞ。ほんま低俗な奴は面倒ばかりかけやがる・・。」 「 其方(そなた)。乱暴はいけませんぞ。」 研次を呼びつけ、連行する官吏に心配そうな面持ちで老人が割って入る。 「御仁、ご心配には及びません。 単なる隠世(ここ)の説明と娑婆での反省を兼ねたカウンセリングですよ。 それに担当は私の仕事じゃありませんから。」 官吏は相好を崩して老人に深く頭を下げると有無を言わさず研次を連れ出した。
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