【クラウル編】覚えが無い…

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 やってしまったことを後であれこれ言い訳なんて見苦しいし、クラウルに記憶がなくてもゼロスにはある様子だ。圧倒的にクラウルは加害者だろう。  なおもゼロスは薄い笑みを浮かべている。強姦者を見下すようなその視線に、クラウルは小さくなってしまった。 「お気になさらず。俺もこれで騎士団の人間です。男色をとやかく言うつもりはありませんし、否定もしません。それに同じ男として、時にそうした衝動があるのも分かっています」 「いや、そういう事じゃ…」  では、どういうことなのか。問われたって分からずに口ごもるのは間違いがない。  しどろもどろになるクラウルの隣から、ゼロスは這い出してローブを纏う。そしてタオルを手に取ると、フッと笑みを浮かべた。 「すみません、体が気持ち悪いので先にお湯をもらってきます。クラウル様は先にお帰りください。このような姿を他に見られては、余計な詮索をされますので」 「あっ、待てゼロス!」  何があったのかをちゃんと確かめておきたい。そう思ったのだが無情にもドアが閉まり、ゼロスは行ってしまう。  クラウルはベッドに全裸で座ったまま、本当に昨日何があったのかを自問自答し続ける事となった。
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