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新国家日本新党結党会見からの流れで始まった新たなテロの模様は、日本国内では報道規制がなされ自粛の対象とされた。
しかし、日本国際テレビ局内の映像は、インターネットを中心に全世界へと拡散し、国内の人々は逆輸入された映像にくぎ付けとなった。
ネットTV各社は、いち早く現場からー占拠された日本国際テレビ第2スタジオからの映像ーをライブ配信し、民俗学者が国家の末路について悲観的な見方を示し嘆いていた。
直接取材を行わないジャーナリストの姿勢を非難する解説委員に向けて、一部の活動団体は、それに同調する声明を発表したが直ちに取り消された。
会員数1千700万人に膨れ上がった民間団体・東京事象究明委員会を支持する会からの抗議による為であった。
『如何なる生命も公平でなくてはならず、如何なる生命も確証を保障しなくてはならない』
団体の理念は都合よく拡大解釈されていた。
『確証なしの死などは有り得ない。よって、確証できない人間の生命は存在し続ける』
その内容を変更する動きは見られなかった。
5月15日15:00
野見山らが宣言した、2日間の猶予期限まで1時間を切っていた。
東京区を閉鎖し、極限武装中立国・東京国建国へ向けての流れは加速していった。
上空のオーロラが見え始めた夕刻、人々の恐怖心は増大した。
東京区から脱出する避難民で、幹線道路はマヒしたままだった。
警察官・自衛官らも国民の安全を確保するという名目で、東京区から避難する住民の対応に追われた。
青葉総理が決断した苦渋の対策は、彼らの身の安全の保障にも役立つこととなった。
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