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「よし!決めたわ」
「で?私は何の罰が与えられるんです?」
悪い笑みを浮かべるミシェルカに、なんとなく嫌な予感がしたのか。ルルキアは冷や汗を流す。
「魔女ルルキア!私を、明後日の舞踏会へ連れて行きなさい!」
「無理!!」
「どうして!?」
「いやいやいや!え?なに?もしかして舞踏会ぶち壊しに行きたいの?」
「違うわよ!純粋に行きたいの!」
「ははっ、それは余計無理ですわ」
呆れた顔で首を振り続けるルルキアに、ミシェルカは急に黙って顔を俯く。
「だって私、今年でもう二十歳になるのよ。一回くらい行ってみたわ……」
「うっ……」
ミシェルカのこの態度には、ルルキアは毎度弱気になってしまう。
いつものような駄々をこねる我が儘ならもっと強く言い返すのだが、そもそも自分がかけた魔法のせいということもあるので、こうも辛そうな顔をされると罪悪感で言葉が詰まってしまうのだ。
ーーしかし、どうしてやるべきか。
獣の姿のままでは、行ったところで大騒ぎになるだけだろうし。一時的に元の姿にしてやったとしても、すぐに顔がバレてしまうだろう。そうなっては色々と面倒だ。
「なぁ姫さん。その舞踏会は仮面をつけてもオッケー?」
「え?そうね。確か仮面舞踏会と聞いていたけれど」
「なら好都合だ」
「ってことは!」
「ミシェルカ姫。この私が、アンタに魔法をかけてやりますよ」
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