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「あの日も合鍵で勝手に車に乗ってたのよ。
「そんなすれ違いで二年も…」
もっと早く気づいて入ればと、後悔が襲って来た。
「何かの理由であなたとの恋愛には踏み込めずにいたの。
ごめん…
好きよ…」
俺の頬を伝った涙がまどかの煙の出る目に落ちた。
まどかの反応が無くなった。
息ができないような胸の苦しみに襲われ、腹の底からまどかの名を叫んだ。
まどかの胸から、泡が出始めた。
すると、再び目が強く見開いた。今度は優しいまどかの目つきでは無い。
「"キラードール"が起動しました・・・・」
見開いた片目は、鋭くなり、涙も赤くなったかと思うと、腕を突き出して来て、俺の首を掴み、絞め始めたのだ。
その腕を離そうとするが、フルパワーのモーターで駆動する腕を押し返せる物ではなかったし、俺自身も、気力が失せ、そのまま脱力した。
まどかが死んでいる姿がを想像し頭から離れない。
俺も死ぬのか…
彼女の顔は、凸凹し始め、何度か知らない人間の顔に変化した。
締めていた腕の力が次第に抜け、腕が落ちた。
ジョージの時と同じだ…
顔が徐々に溶けてゆく。
しかし、俺の意識が遠のいて行った…
かすれる意識の中で、彼女のもう片方の目玉も抜け落ちた様に見えた…
2話 おわり
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