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じっくり焼けていく夕日を見ると、死んでしまったジョージのあの時の言葉を思い出した。
AIは殺人マシーンを放ったと言っていた。
どんなAI?
何のために?
疑問ばかりが湧いてくる。
ヤンの言う通り、法律上人間を傷つけるプログラミングはされないはず。
だとすると、不正に作られたアンドロイドということになる。
しかし、あんなの一体作ることができる工場なんて、限られている。完成後不正に書き込まれるとしても、自己防衛システムが働くはずだ。
簡単に書き換えさせないはず。
なんだ・・・・一体何が起こっているんだ?
「レン・・・・」
俺を呼ぶ聞きなれた女性の声がした。
留置所の窓から、黒髪のスレンダーな美女婦警が顔を出す。
「まどかか?」
如月 まどか だ。 彼女も同期で、初めのころ同じ署に勤務していた時期があり、パートナーとしては信頼しあっていたが、恋愛関係には苦い思い出がある。
俺はドアへしがみついた。
「どうだった?」
「これ・・・・ジョージの。」
マイクロチップを渡してくれた。
「待ってくれ!俺は殺してない!」
「そう信じてる。だから、その情報から真実を暴いて。」
「ごめんね。お父さんの友人の祝賀会に呼ばれているの。もう行かなきゃ。」
そう言うと、去っていった。
ヤン巡査は、ビニール袋に入った変な銃を眺めている。
「この銃、どっかで見たような…」
「ヤン君」
「あ、如月さん」
婦警は近寄ってくると、ヤンの机に腰でもたれかかった。
ヤンは短いスカートと、白い太ももの間にでできる影に目を奪われた。
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