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「ところで静騎、あたしはいつからアンタに話しかけていいんだ?アンタがいつまでも一人で説明文を読んでいるおかげで、あたしのが登場するタイミングがいまいち掴めない」
折角僕が説明している(説明文は読んでないぜ、自力だぜ)というのに、空気を読まずに話を進めてきた少女――言葉の端々に微塵も女の子らしさを感じさせるものがないショートボブ少女。彼女こそが、僕ら運命共同体のうちの一人、蝶留だ。
「何かめちゃめちゃ貶された気がするんだけど、気のせいかな?」
「そんな、まさか!!誰にだ!?言ってみろ、お前を貶したりしやがる奴は僕が許さないぜ!ぶん殴ってやるからさ!!」
「そうか、ぶん殴ってくれるのか。あたしを貶したりしやがるアンタが許せない奴は、静騎って名前だよ」
「静騎だな、名前に騎士の『騎』ってついてる癖に何てジェントルじゃない奴なんだ。よしわかった、今から殴りにって僕だーっ!」
「……くっだらな」
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