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 突として訊こう。  皆さんは魔道書というものを知っているだろうか――ああ、そうそう。それそれ。その手に持ってるそれだよそれ――って、持っているはずなんてないのだけど。  突然にファンタスティックな話が展開されて何事かと思う人も居るかとは思うが、これは話させて欲しい。  魔道書。またはグリモワールとも言うけれど。  僕らは別に特別な力を持っているわけではない。でも魔道書を所持する。  一応伝えておくが、ここは異世界でもない。現代社会、日本国本土である。  僕らは特殊だった。気が付けば共に居た。共に居て、共に生き、共に死に、共に戦っていた。戦友とは違う。僕らはそう、運命共同体と呼ぶのが相応しいのだろう。
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