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 もう歳も忘れるくらいに共に居た。一緒に居た。  僕らは生きている。  しかし幾度も死んだ。  戦い続けたのは僕らの運命とだ。  戦死することで転生する僕らだ。寿命なく生き続ける僕らだ。 戦って死んで転生して戦って死んで転生して戦って死んで転生して戦って死んで転生して――そしてやっと、現代の一市民、一般人というちゃんと死ねる(・・・・・・・)存在に終着した。  魔道書を開けば僕らが今までどのように戦ってどのように死んでどのように転生したのかが全て記されている。一字一句逃さず、一コンマ一秒すらも逃さず。  魔道書はアルバムだ。文章――僕らの物語が綴られているページには、小凪がカメラでパシャッと撮った写真が無数に挟まれている。  此処は現代。魔導書と言えども決して魔法を唱える為の道具ではないのだ。……それにしては僕らの存在は摩訶不思議だが。
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