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 魔道書は本来僕らの魂と一緒に僕らの中に納まっている物だから失くさないし、失くせない物なんだけど――しつこいようだけど彼女、愛也はそれを失くしてしまった。失くして、眠りについてしまった。  僕らが気が付いて彼女のもとに集ったとき、唯一残されていたのは表紙だけだった。  原因があるとするならそれはきっと一つだけだ。   泉火(ぜんか)が愛也の傍に居たこと。彼しか彼女の傍に居なかったこと。  以下は愛也が眠りにつくまでの回想である。
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