羽唯

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女の子は泣きそうな顔をしている。 「翔ちゃんやめて」 そう言う私に翔ちゃんは複雑な顔見せ 「でも 危ないじゃないか」 と優しく話しかけてくれたけど 「大丈夫だょ翔ちゃんが助けてくれたから」 といって笑ってみせる。 そんな事をしている私たちの間成瀬先輩が 「悪い」 と言って割って入った。 二人して成瀬先輩の方を見ると 泣いてしまっているあの子と 成瀬先輩が横並びに立っていた。 女の子は成瀬先輩に背中をトントンされ 「ほら」 と 促されると 「ごめんなさい!」 と深々と頭を下げた。 そしてそれを確認した成瀬先輩は 「翔 羽唯姫が大丈夫って言ってくれてるし 彼女も反省してるから許してあげて」 っと翔ちゃんを見ていって 私の顔を見てにっこり笑い 「今日は一緒に帰るのやめとくね。 彼女が心配だからさ」 と何か言いたげな翔ちゃんの顔に気づき苦笑いを浮かべると 私の頭をポンポンして 「羽唯姫も危なかったね 許してあげてくれて有難うね」 と言って小さな声で 「後の事は頼むね」 とにっこり笑って言うと 女の子を連れて歩き始めた。 「気を付けて さようなら」 背中に向かっていつものように声をかけると いつものように右手をあげてヒラヒラと動かしている。
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