1. ヒマワリ

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「あの、そこ……うちのお墓ですけど。うちの……」  また彼の瞳が大きく開かれた。  こちらを振り向いた時のように。  そして墓石を見て、もう一度千尋(ちひろ)の顔を見る。 「よりの…………子ども……?」    え?    『より』って…………依里(より)?  おばあちゃんのこと!? 「いえ。…………孫です」  そんなに老けて見えただろうかとちょっと眉をしかめる。   と同時に二十歳(はたち)前後にしか見えない青年の口から祖母の名が出てきたことを、千尋は不審に思った。    祖母の森山依里(もりやまより)が亡くなったのは30年も前だ。  千尋自身も会った事が無い。生まれる前の話なのだ。
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